「PPP.L」伊藤咲穂, 31 x 31 cm, 素材:錆和紙、木、LED、コード
記憶のような光はどこからくるのだろう。炎をみると、その揺らぎや呼吸のようなものに、安らぎを感じる。
人と火、人と光、社会と灯り、宗教、民族と光の繋がりを内面的に表現しようと試みたもの。
この灯りのありかは、鑑賞者の心の内に存在する。
Primitive(原始的) , Planet(惑星) , Permanence(永続性) の頭文字をとったもの。
作家情報
Japanese paper artist (Sabi washi錆和紙)
1989 島根県浜田市 誕生
2012 作家活動
2014 武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科 テキスタイル専攻 卒業
現在 東京都、島根県を拠点とし、作家活動
人間とマテリアルについて考えるとき、日本人は古来から神、そして紙、と共に生活をしてきました。中国より4～5世紀ごろに伝えられた紙漉きの技術は、主に〔札、人型、写経〕などに用いられ、神聖な素材として大切にされましたが、今や生活必需品としてではなく、工芸品としての価値が高まり、紙漉きは文化として、ユネスコの世界無形文化遺産として登録されています。
日本ではしばしば、「和紙」は古典的な素材として印象強くありますが、実は素材として常に単一的で、変容性を持った素材なのです。物体としての作品を作るとき、マテリアルとの関わりは、必ず強い連帯関係を生みだします。それは、和紙のもつ古い歴史と日本文化が、現代に生きる自身の記憶と社会の変動を、交互に行き交うからに他なりません。和紙を古く新たな素材として捉え、表現しています。
| 作品名 | PPP.L |
|---|---|
| Title | PPP.L |
| 作家名 | 伊藤咲穂 |
| Artist | Sakuho Ito |
