
「円相」伊藤咲穂, 900 x 900 cm, 錆和紙を濃度ごとに漉き、さまざまな形に形状記憶させたインスタレーション作品
禅語には「◯△□」や、「◯」という言葉かある。これを意味するところは、見る人によって解釈は様々であるが、何か一つの宇宙観を表す表現として存在する。芸術を志す最中で出会った師に「一本の糸、一枚の紙における哲学を見つけてください。僕は、君がどうしてこれを作ったのかが知りたいんだ。どうして涙が出るのかが知りたいんだ。」と言われたことを強く記憶している。まさに私は、一枚の紙に人間の一生や、生命の普遍的真理、方丈記の冒頭の世界観を感じたのである。しかし、これは言葉にするほど本当の意味する重要な部分をはいつも内に内包されるばかりである。それはまさしく水面に広がる波紋の輪のように、絶えず移り変わっていく。
作家情報
Japanese paper artist (Sabi washi錆和紙)
1989 島根県浜田市 誕生
2012 作家活動
2014 武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科 テキスタイル専攻 卒業
現在 東京都、島根県を拠点とし、作家活動
人間とマテリアルについて考えるとき、日本人は古来から神、そして紙、と共に生活をしてきました。中国より4~5世紀ごろに伝えられた紙漉きの技術は、主に〔札、人型、写経〕などに用いられ、神聖な素材として大切にされましたが、今や生活必需品としてではなく、工芸品としての価値が高まり、紙漉きは文化として、ユネスコの世界無形文化遺産として登録されています。
日本ではしばしば、「和紙」は古典的な素材として印象強くありますが、実は素材として常に単一的で、変容性を持った素材なのです。物体としての作品を作るとき、マテリアルとの関わりは、必ず強い連帯関係を生みだします。それは、和紙のもつ古い歴史と日本文化が、現代に生きる自身の記憶と社会の変動を、交互に行き交うからに他なりません。和紙を古く新たな素材として捉え、表現しています。
作品名 | 円相 |
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Title | Zen circle |
作家名 | 伊藤咲穂 |
Artist | Sakuho Ito |
作品本体価格 | 2,000,000円 |
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額装費 | 0円 |
消費税 | 200,000円 |
合計金額(税込) | 2,200,000円 |
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