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ベルギー出身のリュック・タイマンスは、2002年のドクメンタでも大きな話題となるなど、今欧米で最も注目されている画家の一人。タイマンスの作品は、玄人好みとよく言われます。派手さはないかわりに、この作家の持つクールさは他の誰とも違っています。モノトーンの家具で揃えたシンプルな室内によく合う。エンジェルの絵柄がアクセントと映るところも洒落ています。
1958年、ベルギー、モートセル生まれ
ベルギーで地道な制作活動をしていたタイマンスだが、1992年、カッセルのドクメンタ(4,5年ごとに開催される国際現代美術展)で大きく注目され、欧米を中心に数多くの展覧会に出品するようになり、各地のビエンナーレの常連アーティストとなった。 80年代初め、絵を離れて映画を作っていた時期に、習得したカメラワーク、クローズアップやモンタージュなどがその後の絵画制作に反映している。無表情な顔、ひと気のない部屋、無機質で孤独な雰囲気のはずが、透明感、癒しといったプラスの効果をもたらす不思議な絵画である。戦争やホロコーストといった重苦しいテーマを扱っても、感情表現を排して淡々とイメージを描く、それでかえって真の表現が可能となる。タイマンス自身が言うように、アンソール、マグリットと独特のベルギー絵画を生み出した後継者なのだ。不安な今の時代に最も相応しいアートに違いない。
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Luc Tuymans |