
古典的な大和絵の形式を引用して描かれている山口晃の作品ですが、よく見れば武士や着物姿の町人と一緒に、サラリーマンや高層ビル、バイクなど、現代の風俗をちらほらと見つけられます。
広尾―六本木の眺望を描いた本作も、伝統的な洛中洛外図の形式を借りてはいますが、六本木ヒルズを上から見下ろすという、昔の大和絵にはありえない高度からの眺めが実現されています。
形式(型)を徹底し、自分らしさや個性といったものを消去していくことで、逆に生まれる独自性が山口の絵にはあります。
形式を通して見ることは、そのまま写す写実とは違い、省略法であり、ある種主観的で、それゆえ歪みも生じてきます。
山口の絵の独自性と魅力は、そうした形式と歪み(違和感)の同居にあります。そして何よりもその圧倒的な画力は、理屈を超えて見るものの目を惹きつけます。
1969年 東京都生まれ 桐生市育ち
1994年 東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
1996年 東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻(油画)修士課程修了
合戦図、時空の混在、更には画面を埋め尽くすように描き込まれた街の鳥瞰図等のモチーフを使い、観客を飽きさせないユーモアとシニカルさを織り交ぜた作風に代表される。
![]() |
東京圖 六本木昼図 |
---|---|
![]() |
Tokei: Roppongi Hills |
![]() |
山口晃 |
![]() |
Akira Yamaguchi |
作品本体価格 | 120,000円 |
---|---|
額装費 | 20,000円 |
消費税 | 11,200円 |
合計金額(税込) | 151,200円 |