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宮原野乃実

Nonomi MIYAHARA

埼玉県の農業用の貯め池の底には、捨てられた第二次世界大戦中の日本軍の陶製手榴弾が数多く埋められている。
その陶磁器の手榴弾の欠片を拾い集め、その上に様々な現代の既製品をくっつけた作品を宮原野乃実は制作している。

まるで第二次大戦がなかったかのように過去の痕跡は忘れられ、遠い別の国の物語のように思えてしまう今の時代。
しかしながら、事実は過去の手榴弾の痕跡の上に現代の建物がセットのように乗っかっているようなものだということを思い起こさせてしまう。

過去の苦しかったときの教訓を思い出しながら、その上に現在があることを考えさせる作品であるが、同時に造形的な美しさも追及しているところに宮原野乃実らしさがある。
今後は陶製手榴弾だけでなく、様々な過去の痕跡が残っている場所と、現在との相対的な関係を考えさせる作品にチャレンジしていくとのこと。

まだ手頃な価格で購入できる作品であるためリーズナブルに世界観を楽しむことができるが、デビューして間もないにも関わらず、各イベントでの賞獲得やアートフェアで作品が飛ぶように売れている。
宮原野乃実の作品は永久にその価値は滅びることなく、歴史的にも重要な位置づけをするとタグボートは考えており、まだまだ価格が安い今のうちに作品を買い求めることをおすすめする。