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新宅睦仁

Tomoni Shintaku

新宅睦仁

絵画・ペインティングを中心に、映像やインスタレーションなど、様々な媒体で表現活動をする作家、新宅睦仁。

牛丼やカップヌードルを流れる滝のようにして描く事で、味わう事なく猛然と胃袋に流し込まれる現代人の食の実態を具現化した「牛丼の滝/カップヌードルの滝」シリーズ。
日々大量に廃棄されるコンビニ弁当を山のように積み上げ、そこに日本的な心性である米一粒にも神を見出す「コンビニ弁当の山」シリーズ。
日本人の持つ偏狭な対外的視線を、世界各国の様々な食品・料理を円形に型取り、日の丸に見立てて配置するJapanize(日本化)シリーズ。
世界中で加速する富裕層への富の集中、それによって求められる富の再分配を、ケーキを切り分けるという行為に象徴させた「みんなで食べよう」シリーズなど複数を展開。
その食物をモチーフとした作品で、年々高い注目を集めている。

新宅の食を通して表現しようとする意志には並々ならぬ思いがあり、2013年には、新宿調理師専門学校を卒業するほど。
作品と向き合う真摯な姿勢が、美術品としての視覚的な面白さだけでなく豊かな奥行きと説得力を与え、観る者に強いメッセージを発信する。

過去には別府アジアビエンナーレ2005や、宮本三郎記念デッサン大賞展(2013年)に入選。近年では、トーキョーワンダーウォール2015やワンダーシード2015などの大きな公募展にも入選するなど、着実にキャリアを積んでいる。
また、個展・グループ展開催も複数控えているなど、ますますの活躍にも期待が集まる注目作家だ。

食という誰もが身近に感じられる行為や物を通して、作家が提示するメッセージとそこから生まれる絵画的魅力は、直接見て感じるべき内容である。
今後の将来性という点からも、1枚は必ず持っておきたい作家とも言えるだろう。