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津村耕佑

Kosuke Tsumura

津村耕佑

武蔵野美術大学の空間演出デザイン学科教授でファッションデザイナーの津村耕佑。
2017年5月に青山スパイラルガーデンで開催した大規模な個展「RECOMBINATION」は来場者8千人となり大成功に終わった。

アートとファッションの間を自由に行き来しながら作られる津村耕佑の作品は、型にはまらない表現方法で、常にデザイン性の高さとコンセプトの面白さを楽しませてくれる。

1982年に三宅一生氏の下クリエーションスタッフとしてパリコレクションに関わったのち、ファッションブランドKOSUKE TSUMURA並びFINAL HOMEをスタートさせた。
1994年に「究極の家は服である」という考えを具体化したこの都市型サバイバルウエアは表生地と裏生地の隙間を利用した44のポケットを持ち、非常時でのあらゆる状況に対応するナイロンコートだ。
「FINAL HOME」の発表によって時代の寵児となった津村耕佑であるが、今も日常の意味やファッションの機能を再考し続けている。

その中で津村耕佑自身が考案したパズルウエアーは2009年に細胞分裂から着想を得て考案した表現方法である。
文化や歴史の文脈から切り離され漂流した物や情報など多様なマテリアルを用いてパズルピースを制作し、それらを組み換えてインテリアや衣服に擬態することで、人々の日常を再考するものだ。

津村耕佑はパズルウェアを組み替えることで現代アートとしての作品を完成させており、このようにファッションデザインとアートとを自由に行き来できるアーティストを国内ではほとんど見かけることはない。
モードの世界の持つ感性と衣服としての有用性を考えつつ、それをアートにまで昇華させる才能は他に比べるものがなく、圧倒的なオンリーワンとしての地盤を築きつつある。

作品として津村耕佑の作品を持つことは、コレクターとしての高い感性を常に刺激し続けることになり、新しいアートの形態を変える起爆剤を手に入れることになる。

今後、世界のアートシーンが彼の作品に対してどのような評価をしていくか楽しみであり、ファッション大国の日本を代表するアーティストとして活躍することは間違いない。