彫刻の新たな概念を提示する期待の若手彫刻家のドローイング作品です。
窪田の作品の特徴は、そのサイズや形状から我々の身体とダイレクトな関係を示す「家具」の持つ量感と、家具のネガティブスペースを埋め、その表面をパテでつないで削り出すことで生まれる絵画的とも言える表面性です。脚の間、肘掛けと座面の間、扉の間など、空間を埋められた家具は、あたかも人が何かに埋もれていくような印象を残しつつ、研磨された表面から立ち現れる家具のディテールが埋もれる前の姿を暗示します。目の前に実在するかたちと、埋もれたことで虚構のイメージと化したかたちが混在する窪田の作品は現代彫刻の新しい可能性を含んでいます。また本展では、平面的な要素にボリュームを持たせることで立体化し、それらを集積させることで彫刻を成立させる新たなアプローチにも挑戦しています。
(個展「かげとりと、はれもの」 @hpgrp 2009.6.5~2009.6.28より抜粋)