展示風景
2008年から2009年にかけて制作した木版・銅版、10作品。
アワガミファクトリーより和紙の提供を受け、作品毎に作品のイメージと技法、和紙の風合いの組み合わせを様々に試しながら制作。
柔らかくカラフルな木版の表現は津上のペインティングの作品を彷彿とさせる。
4連作の View-endless knot, 09 は四季を伴った静かな一筋の風景で、大型の View-fragments of Spring, 09 は大気を巻き込むように大きな動きを見せる。
銅版の線による表現は津上の別な側面を見せる。自在に銅版の上を動き回った線は深く腐食され、厚い和紙に強く盛り上がっている。
エディション・ワークスHPより抜粋
展覧会に並んでいたこれらの版画は、濃密な色彩のキャンバス作品を見慣れた目には、物足りなさを感じるかもしれない。しかし実際にそう広くない自宅に1点飾ってみると十分な余白が部屋に広がりをもたらし、流れるような柔らかな色彩が心地よい。ドローイングの持つ伸びやかな感性の煌きが版画作品になるとは想像できなかったが、版画の新たな可能性をさりげなく垣間見せてくれる。。
タグボート アートディレクター 広本伸幸