(box decorated : 渡辺おさむ)
われわれ人間には特別な日、好ましい日があり、平凡で単調な日々、そして何か嫌なことが起こりえたとき、最悪の日となろう。
自然というものはおもしろく、特別の日も無ければ、好みの季節も無く、ただ生を全うするにおいて、大切な時期があるとわれわれは見る。
木にとってみれば、ただひたすら生を全うし生を終える。そこに特別も非特別もなくただ一生懸命、生を全うする。
仏教において、日々是良日という語句があり人間の生きる方向性を指し示している。神道においては、伊勢神宮の例でものを言うと、年間約1600もの神事があり、その他748もの年中祭事が行われている。
われわれ人間、ひと呼吸、ひと呼吸、無意識に呼吸している生活においては、何ら些細な事と思えるかもしれないが、ひと呼吸を一生懸命するとなるといささか骨の折れる作業となる。
しかし自然物の様に一生懸命生を全うする事は、死というものに一生懸命向かう事である。その一生懸命さを日々祝祭の連続として捉える事は、日々真剣に生活を送る事につながる。そこには特別と非特別が有って無いという心持ちの日々祝祭という歓喜の日々が残る。
榎本貴政