バスキア、キース・へリングと並ぶ80年代NYのストリート系画家と言えば、このケニー・シャーフ。この3人が内装を施し話題となったニューヨークの巨大ディスコ「パラディアム」(ちなみに設計は磯崎新)を始め、80年代NYのアートシーンは刺激に満ちていた。しかし今やバスキアも、ウォーホルも、キース・へリングも相次いで時代の終わりを告げるかのごとく亡くなり、残ったのはシャーフだけとなってしまった。本作は98年に発表された木版画。イーストヴィレッジ出身のグラフィティ・アーティストとして出発したシャーフですが、そのライブ感は今も衰えていません。あたかもグラフィティの殴り書きのごとく、画面を縦横無尽に走るダイナミックな線が印象的な作品となっています。タイトルにもある通り、アクションペインティングの巨匠ジャクソン・ポロックに捧げた一枚です。