作品のコンセプト
「群像」
自身の記憶、精神性から想起される群像の形は、
ひとつひとつ人間のドラマが存在する。
喜怒哀楽の感情的表情も単純化し表現される。
子どもや動物など様々な動物を配置している。
無数の生命の愛情や平和も意味する。
群像たちは、もう一人の自分であるような、象徴的なアイコンでもある。
自分の作品のテーマの中で重きを置いているものは、「生」というテーマである。
螺旋群像図の作品には、胎児が螺旋状に生まれてくるということを聞き、そこから、螺旋を命の根源である形と自分はとらえ、画面構成にいかし人物を構成する。
背景に見られる模様や人物は、無数の生命、細胞の具現化を意味する。
赤という色には、血液などの意を込め、青には、静脈などイメージ全体の作品色に
この2色が多いのは、テーマをより強くするためには必要不可欠な色彩である。
また、赤、青、緑、金の4つの色彩からは曼荼羅を示唆できればと思う。
そこから、輪廻転生の意も込めて人の生から死のテーマ性も考える。風船が飛んでいるものは、魂の意味でもある。
そこには、生命というコンセプトとは裏腹に、
グラフィック的な背景パターン、金で縁取られた形、
誰でも共感できるようなコミカルな可愛さなども感じてていただければと思う。
ただ、見るだけでなくいろんな群像を探せる絵画でもある。ユニークなキャラクターを探してみてほしい。
一見、日本画らしさからは離れて見えるが、
和紙に岩絵具という岩石を粉末にした日本画素材から
たらし込み技法から現代のアクリル絵具、シルクスクリーンなど古典的技法と現代的な手法を組み込む。
モチーフも現代的な表現の群像の他にも阿吽の獅子、鳳凰、麒麟、龍、虎、鶴、鳥獣戯画、河、螺旋、吉祥等をモチーフに「琳派」を連想させるものもある。
琳派とは、桃山時代の後期に活躍した芸術家の流派の総称であり、たらし込み、金箔を用いた作品が中心にある。
その中での、尾形光琳の「紅白梅図」と自己のアイコンでもある群像を組み込んだ作品を現代の日本画技法で表現する。
古典をグラフィカルなデザイン性で現代的にアレンジし、時代やトレンドを問わず幅広くのひとに日本美術や古美術、絵画を共感してもらえるような形での作品アプローチを試みる。