作品コンセプト
俺の制作は一対一の試合のような身体性、精神性を帯びる。
まずは何も描かれていない、空っぽのキャンバス(相手)と対峙する。奴は小さかったり大きかったり、顔も顎も腹も無く、天地左右も曖昧で、隙はあるのか、急所はどこなのかも解らない四角い怪物だ。
まず、ある色の絵の具を画面に打ってみるところから試合は開始され、決まった型の無い無数の反応と反射を繰り返す。相手と俺の間合いの空(くう)を腕が突き抜け、滑らかに有効打を決めようとするものの、しなったり、すべったり、すかされたりして、不本意に相手に到達することがある。それが面白い。だけど、くらおうが、くらわなかろうがどっちでも良くなることがある。それはもっとどうしようもなく面白い。
完成する(決着がつく)と、ごくごくちょー稀に光る。これが四角い玲瓏、絵だ。