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1996年秋ニューヨーク近代美術館に始まり、ケルン、ルードヴィッヒ美術館、東京都現代美術館と巡回した《ジャスパー・ジョーンズ》回顧展は質量ともに圧倒的な見ごたえのあるものだった。会場の最後の方に、当時の新作として《無題》1992-95年の大作が展示されていたのを記憶している。左に幼少期を過ごした家の平面図、それに重ねてグリューネヴァルトのイーゼンハイムの祭壇画の「復活のキリスト」の前に倒れる兵士の線描、中央下部には相変わらずピカソの人物の目、といった興味深いモチーフがちりばめられ、というより、整然と配置されていた。その後ニューヨーク近代美術館に常設展示されたこの作品は色合いもシックでマチエールの美しさも際立っていた。2x3メートルのキャンバス作品を家にかけるのは難しいが、この版画なら可能、価格も500分の1。MoMAにも同じ絵柄のがあるよ、と自慢できる1点。資産価値としても間違いのない優良銘柄だ。(執筆:広本伸幸)

ULAE(Universal Limited Art Editions※)制作。
※ 1957年にタチアナ・グロスマンによってニューヨーク州ロングアイランド、ウェスト・アイスリップに設立された、アメリカ現代版画を代表する工房の一つ。

無題

Untitled
作品本体価格Sellng Price(Artwork)
¥ 1,890,000
箱代/額装費Framing Price
¥ 40,000
消費税Tax
¥ 193,000
合計金額(税込)Total(include tax)
¥ 2,123,000

More Details

エッチング       アクアチント

Etching

サインSignature
あり Yes
EDITION
ED -/49ED -/49
制作年Year of Creation
1997年
サイズSize
50.8x 65.4 x3cm
作品の状態Condition
良好Good
額仕様Frame Specification
白/浮かし*
額寸Frame Size
60.8x 76x 3cm
納品期間Shipping Time
約3週間
特記事項Notices
作品IDItem ID
3431

Profile

1930年5月15日、ジョージア州オーガスタ生まれ
「私は3歳のときから絵を描き始め、それから止めたことはない」というジャスパー・ジョーンズは幼い頃に両親が離婚し、親戚の家を転々とする。
1948年ニューヨークに出てパーソンズ・デザイン・スクールに通うが経済的困難のため中断。
兵役後戻ったニューヨークでラウシェンバーグと出会い、ショー・ウインドウのディスプレーの仕事を始める。
1954年最初の「旗」の絵を制作。数年のうちに「標的」、「数字」といった代表的主題の作品を相次いで制作。
58年キャステリ画廊での最初の個展でニューヨーク近代美術館が3点を購入したほか20点出品の18点が売れた。
独学でアメリカ美術界のトップに躍り出たジャスパーの作品は蜜蝋(エンコスティック)を使用したりオブジェを取り付けたりユニークな技法上のアイデアと精妙な技術によって成り立っている。
心理学や哲学特にヴィトゲンシュタインの熱心な読者であり、セザンヌ、デュシャン、ピカソの研究者でもある。
1996-97年ニューヨーク近代美術館、ルートヴィヒ美術館、東京都現代美術館を大規模な回顧展が巡回した。

1930年 ジョージア州、オーガスタに生まれ
1954 年 ラウシェンバーグと知り合い、ウインドーディスプレイで生活費を稼ぐ
1958 年 レオ・キャステリ画廊で個展
1959 年 デュシャンを知る
1973 年 クロスハッチングを用いた制作を始める
1977年 ジャスパー・ジョーンズ回顧展 (ホイットニー美術館、ポンピドー美術館、西武美術館など、世界各国を巡回)
1986年 版画展開催 (ニューヨーク近代美術館のほか、ヨーロッパ、日本を巡回)
1988年 第43回ヴェネツィア・ビエンナーレで大賞受賞
1990年 ワシントン、ナショナル・ギャラリーで「ジャスパー・ジョーンズの絵画」展バーゼル、ロンドン、ニューヨーク(ホイットニー美術館)へ巡回
1993年 高松宮殿下記念世界文化賞・絵画部門受賞
1996年 ニューヨーク近代美術館で回顧展(ケルン、東京へ巡回)

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