いずれは枯れる一瞬の生のあらわれとしての花の姿を、死んだ動物の骨や毛皮で模したものが「骨花」です。
骨花は写像を残したら、バラバラに壊したあと、土に還します。
私たちは生きていくなかでたくさんの別れを経験します。
しかし死は終わりではありません。死んだあとも思い出として心のなかに生き続けます。
肉体もまた土に還り、花や草や雲の一部となり、同じ世界を流転します。
わたしたちの現代社会は、死を覆い隠し、老いを遠ざけ、病を忌み嫌います。
みないずれ骨となり、土へ還ります。その根幹にもう一度立ち戻るための、現代なりの鎮魂や再生の新しいありかたを探っています。
「解剖」から「骨のとりだし」、「骨花の組み立て」そして「土へ還す」まで。
また「撮影」し「フィルム現像」、「プリント」まで。すべての工程を一貫して作家本人が一人で行ってます。
過程に重きをおいていることが理由です。
扱ってもらうプリントも、大型カメラのフィルムから引き伸ばした、作家の手によるオリジナルプリントです。