緻密なまでの描写力と繊細なタッチで「物語る絵画」を描くアーティスト、鴻池朋子。
彼女の代表的キャラクター「みみお」は、耳から手が出ているような、やわらかく不思議な生き物です。
2001年に青幻舎から出版された絵本『みみお』では、常闇の中から生まれてきたみみおが、森の中で四季をたどります。
口のないみみおが語ることば、目のないみみおが出会う森の生物や、四季の変化が描かれた風景から成る世界に、引き込まれてしまいます。
本シリーズは、絵本の原画より厳選された12点をインクジェットプリントにしたものです。
価格も手頃ですので、この機会に是非、お気に入りのみみおを見つけてみて下さい。
こちらは、秋の章からの一枚。森の中で立つみみおは、足だけしかでていなくても、その佇まいから秋のもの悲しさが伝わってきます。
足の間からちょこんと顔を出すリスの表情も、絶妙です。
枯葉のかさかさとした音が聞こえてきそうな臨場感を鉛筆で描ききる描写力に感服。