バチェラーは紙切れのコレクター、子供の落書き、捨てられたメモ、外国のレシート、手紙、フランス語やスペイン語はおろかヘブライ語のものまで、目に留まって失敬してもかまわないものはもらってくる。中華料理屋で最後に出てくるフォーチュン・クッキー、日本で言うおみくじだが「遠方より慶事来る」なんてものまでとってある。それら材料をコラージュして、その上にこれもどこかで見つけた花の絵をなぞって描く。これが彼の基本的な制作方法だ。同じようにして原画を作り拡大して版画にしたのがこの「無題」。コラージュの質感がよく出ているのがユニーク。