政田武史はこれまで数多くの美術館や国内外のギャラリーでのグループ展に参加し、数々のメディアにも取り上げられてきたアーティストです。
この水彩画は画面に拡がる大胆な筆致と

政田はこれまで、布に絵具を染み込ませる技法"ステイニング"シリーズや、ビニールを貼ったパネルにアクリルで描いた"スムース・ペインティング" シリーズなど様々な表現を試みてきました。近年はオイルペインティングを中心に制作し、日常的な事物から映画のワンシーンや民族的なものまで作品のモチーフは多岐に渡ります。それらは無作為なように見えて、直接的あるいは間接的な解釈を充分に見つめ、既成イメージから丁寧に選び出されています。また、画面に拡がる大胆な筆致と視覚的に訴える鮮やかな色彩によって、鑑賞者の意識を大いに刺激します。イメージの表裏性および絵画の物質性によって生まれる絵画空間を追求することにより、明確なモチーフであっても多義的に語られているような、独特な存在感のある作品となっています。