私がこれまで主にディスプレイ上で動画展開してきた動きは本来、より高次元の出来事である。 しかし我々は3次元を外部から一挙に掴むことはできない。 その内部にいて自らできごとを生み出すことで時空間を実感し把握する。 今回の作品は、立体に実現しえない空間内の自在な広がりをクリスタルガラスに実現することから始まった。 クリスタルガラス1つ1つにはそれぞれ異なる3次元の軌道群とその変容が刻印してある。これが我々が現実に視覚化できる最高次元である。 そしてそれらのランデヴーにより、個々の知覚の限定を超えて 生き物のこころの棲む自在で豊かなひろがりを想起するトリガーとしての作品を構成した。 掌に納まる小さなガラス達に、旋回し急降下し裏切りはぐらかし憧れるランデヴーを静かに発見してほしい。