鮮やかな色、丸いフォルム、内臓や肉の塊のようにも見えるデフォルメされたキャラクターのモチーフをコンスタントに使い、現代社会への不安定な主観性を描いています。近作では花と顔に内在する同一音の言葉から生まれた絵を以下のようなテーマで種を植えてから花が咲くまでの経過のように描いています。
どこか大きな穴の中に一人ポツンといるようだ
まわりは暗く覆われていて重く冷たい
そこは少し濡れて湿っている
ふと気づくと身体の一部が伸びていく
外に出て目を明けると一転して光が溢れる場所へ
次に歯が生える1本、2本、3本・・・とカチカチカチ風に吹かれて音が鳴る
風に揺られてリズムを奏でたら最後にきれいな鼻が開き
画面に顔が咲く。
普段だとここから輪郭やパーツを整えて他の絵のようにはっきりと詰めて描くのですが線の流れ色の配置、余白のバランスが良くとりあえずこれ以上筆を入れることがないと判断し横に置いてしばらく眺めていました。他の絵を描いていても気になり、良い絵だなあと自分に酔うこともしばしば結局手を加えずそのまま完成した絵です。