珍しいグリーン系、右下のインディゴがひたすら深く画面奥に沈みこんでいく。上方の光をはらんだオーロラを思わせるグリーンが、澄み切った空気を通わせ、マイナスイオンを運んでくる。下地のわずかなピンクが静かな鼓動を伝えるかのようだ。
各作品名の「View」は「眺め」、「景色」の意味。画家が日頃眺める空、木々、道といった景色から画家の眼と手を通して、光は色彩となり、色彩は増幅され、景色は形に木々の枝は線に抽象化されていく。けっして難解な抽象ではなく具体的な風景から光と色彩、広がりと潤いそして温度が抽出された画家の眼に映る景色である。後尾の数字は制作年あるいは制作年月日を示す。