日本人離れした大胆な色彩感覚とコラージュによる人物の表現で独自の作風を追求するイラストレーター・奥原しんこによるコラージュ作品。
巷にあふれる雑誌や広告など様々な紙媒体を切り刻み、それを再構成することでコラージュの人物を作り出します。その人物像は情報社会のサンプリング手法を象徴するかのような、様々な情報をかき集めいったん解体して継ぎ合わせたような混沌と不安定さを持っています。そのため、人物は顔を持ちながらその顔が誰でもない、固有の誰かでない空虚さと深い感情を持たないイノセンスを持ち合わせた優美でありながらどこかさみしいサイボーグの様相を示しているようです。