磯拓史

Hirofumi Iso

瑞々しい美しさと気品を纏い、観る者の目線を瞬時に奪う磯拓史。

繊細な色味を繊細に重ねる事で生まれる味わい深い独特なトーンが、なんとも印象的な作品群だ。
分かりやすいコントラストはないものの、その独特なトーンが生み出す重厚感が作品内部に宿り、強い存在感を放つ。
しかし美しさだけではない怖さにも似た何かが共存しており、その未知なるもへの興味がより作品世界の奥深くへと我々を誘い込む。

1980年生まれの栃木県出身で東京芸術大学では油画を専攻。また同大学院では油画技法材料研究室にて更に自身の表現方法を深めていった。
在学中の2004年、若手の登竜門の1つとも言えるワンダーウォールにて見事入選。早くして頭角を現し、以降2006年、2015年と入選を果たす事で、その実力が高く評価されている。

今後の活躍に応じてますます価値を高める可能性を秘めている作家だ。
作品鑑賞を楽しみながら作品の価値熟成にも期待ができる、まさにコレクションの醍醐味を味わえる一品と言えるだろう。