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包まれた木立、スイス・リーヘン、バイエラー財団美術館とベロウアー公園、1998-99

クリストの直筆サイン入りのプリントです。
1999年に実現した、『包まれた木立、スイス・リーヘン、バイエラー財団美術館とベロウアー公園、1998-99』の準備段階に、クリストが描いたドローイングをオフセット・リトグラフ技法で再現したプリントです。
バーゼル郊外にあるバイエラー財団美術館と隣接する公園のなかの立木、178本を日本の寒冷紗のような生地で包み込んだプロジェクトです。クリストとジャンヌ=クロードは、1968年にパリ・シャンゼリゼ大通りの木立を包むプロジェクトを提案しましたが、許可を取ることができませんでした。「その時のアイデアが、約30年後に、場所を移して実現したと」、当時二人は語っていました。プロジェクトが実現した時、スイスは大寒波に襲われ、大雪に見舞われた日もありました。にもかかわらず、早朝から夜遅くまで、プロジェクトを訪れる人並みが途絶えることはありませんでした。
このプリントは厚手の水彩・版画用紙に刷られ、クリストの直筆サインが鉛筆で入っています。ドイツで出されたオープン・エディションのものですが、直筆サイン入りのものは稀少です。

包まれた木立

Wrapped Trees

Christo

SOLD OUT

More Details

ラグペーパー(水彩版画用紙)

サインSignature
あり Yes
EDITION
オープンエディション
制作年Year of Creation
サイズSize
80x 60 x3cm
作品の状態Condition
良好
額仕様Frame Specification
アクリルボックス
額寸Frame Size
81x 61x 3cm
納品期間Shipping Time
約4週間
特記事項Notices
作品IDItem ID
33073

Profile

1935年、ブルガリア、ガブロヴォ生まれ

ブルガリア生まれのアメリカ人アーティスト、クリストを20世紀後半以降の美術家の中で最も広大な創作活動を続けている一人と呼ぶことに異議を唱える人はいないだろう。
クリストは公私とものパートナーであったジャンヌ=クロード(1935-2009)と共同で作り上げてきた作品は、たとえばオーストラリアの海岸線を10万平方メートルの布で覆い隠したり、茨城とカリフォルニアに、巨大な傘(高さ6メートル・直径8.66メートル)を合計3100本建てたり、パリ・セーヌ川にかかるポンヌフ橋やベルリンのドイツ帝国議事堂を布とロープで包み込みこんだり、ニューヨークのセントラルパークにサフラン色の布をたれ下げたゲート(門)を7503基設置するなど、アートの常識を越え、景観そのものを変貌させるものだ。
1935年にブルガリアで生まれたくりすとは、ソフィアの美術学校在学中に共産主義国、ブルガリアを逃れ、プラハ、ウィーン、ジュネーブを経て、1958年パリに亡命する。
ジュネーブ時代に手がけた缶をキャンバスで包んだ作品を皮切りに、雑誌、家具、自動車などを包んだり、中身がミステリアスな梱包物といった作品を手がけるようになり、平行して使い古されたドラム缶を積み上げて構成する作品も始めた。
60年代初頭には、パリに出た後に程なく出会ったジャンヌ=クロードとともに、屋外空間での創作活動を開始する。
1961年夏につくられたケルンの埠頭での『埠頭のパッケージ』と『積まれたドラム缶』と翌年、パリでゲリラ的につくられた『ドラム缶の壁、鉄のカーテン』以降、アメリカ、ヨーロッパ諸国、そして日本を舞台にしたプロジェクトを実現してきた。
二人のプロジェクトの最大の特徴は、全てが2週間程度の短期間だけ、公共の空間で実現されることだ。
その僅か数週間だけ存在する作品のために、長いものでは25年以上の歳月を公的機関や地権者からの許可獲得に費やしてきている。
また、数十億円にも及ぶこともある制作費は、寄付や補助金などに頼ることなく、全て自らの手で捻出することも二人が頑なに守ってきているポリシーだ。
その資金源は、クリストが制作するドローイング作品、オブジェ、版画作品などだ。
※2009年秋に急逝したジャンヌ=クロードの亡き後も、クリストはロッキー山脈を流れる川の68キロメートルの区間に、総延長9.5キロメートルにも及ぶ布を水平に張ってゆく『オーバー・ザ・リバー、コロラド州アーカンサス川のプロジェクト』と、砂漠に41万個のドラム缶を積み上げて巨大構造物をつくる『マスタバ、アラブ長国連邦のプロジェクト』の準備活動を精力的に続けている。

(※書籍や絵葉書などの出版物やオープンエディションのオフセットリトグラフから、クリストが直接の利益を得ることはありません。)

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